伊:vin santo
ヴィン・サントとは、イタリア・トスカーナ地方の代表的な陰干しワインで、現地では『聖なるワイン』とも呼ばれており、一般的に食後酒として愉しまれています。
収穫したブドウを陰干しして、レーズンのように水分を蒸発させたものを醸造し、少なくとも3年は樽熟成を行うため、当然アルコール度も糖度も高くなり、口に含むととろっとした甘みが広がります。
そのまま飲まれることもちろんありますが、カントゥチーニ(アーモンドクッキー)と呼ばれているビスコッティの一種をこのワインに浸して食べながら飲まれることが一般的です。
ヴィン・サントの名前の由来
1438年から1445年にかけてキリスト教の公会議がイタリアで開催されました。この会議のテーマは東西のカトリック教会の統合であり、700人のギリシア人の聖職者が参加したといわれています。1439年7月4日、会議場がフィレンツェに移った時、エケアの大司教がヴィンサントを飲んだ際に「これはサントスのワインだ」と言ったことがヴィン・サントの名前の由来とされています。
『サントス』というのはギリシャの都市の名前で、サントスではすでにレーズンからワインが造られていて、ヴィンサントと同じような甘口ワインがありました。大司教と一緒に食事をしていたローマ・カトリック教会の神父たちは当時そのギリシャの甘口ワインを知らなかったので、大司教はラテン語のsantusつまりイタリア語のsanto(サント)と言ったと取り、そこからヴィン・サントという名前が付けられたとされています。