英:Tokaji
ハ:Tokaji
トカイとは、ハンガリーのトカイ と周辺の地方からなるトカイ地区で生産されている世界三大貴腐ワインの一つです。
トカイワインはハンガリー・トカイ地方の独特の気候が産み出すワインで、2つの川が合流するトカイ地方は、秋から冬にかけての朝、濃い霧が発生します。この霧は丘の上に昇っていき、やがてブドウ畑全体を包み込む。そして霧による湿気によって、貴腐菌に侵された白ブドウが作り出される。そんな貴腐葡萄から造られるワインがトカイです。貴腐菌は水分を外に出し、糖分を濃縮させることで、とても甘いブドウになります。
トカイワインには、主にフルミント種というブドウ品種が原料とされるワインは8割を占め、その他にトカイワイン地区で栽培されているブドウ品種はハールシュレヴェルー、イエローマスカットなど5種類があり、一般的にはこの3種をブレンドして用いられますが、単一種によるワインも造られています。
トカイワインの始まりとしては、1632年、ハンガリー王国に進攻したオスマン帝国との戦いのため、ラーコーツィ家所有のブドウ畑を管理するセプシ=ラツコー・マーテーがワイナリーにおらず、そのワイナリーではブドウの収穫が11月にずれてしまい、しなびたブドウしか収穫できませんでした。しかし、そんな葡萄から非常に甘美で美味なワインが生まれ、そしてそれをラーコーツィ一世ジュルジの妃、ローラントフィ・ジュジャンナのイースターの食卓に献上したことが始まりとされていますが、トカイ地方ではトカイワインはそれ以前にあったとされ、果たして事実は定かではありません。