ランシオワインとは、ワインを木樽貯蔵にかける際に太陽光があたる場所におき酸化熟成させることによって、独特な風味を持たせた酒精強化ワインのことで、同様の技術のことを『ランシオ』といいます。
ランシオは主に世界三大酒精強化ワインの一つとして知られる、ポルトガルで生産されているマディラで有名な製造方法ですが、マディラだけでなく他にもシェリーやV.D.N(ヴァン・ドゥー・ナチュレル)、V.D.L(ヴァン・ド・リクール)などでも風味を出すために用いられる技法です。
マディラもまた、高温の室内での貯蔵、または木樽を屋外で日光にさらし長期熟成させることで徐々にワインを酸化させていくため、ランシオワインはマディラと同じようなキャラメルのようなマディラ臭に似た香りを持ち、これをランシオ香(酸化臭・腐敗臭)と呼びます。
代表的なランシオワインにはフランス南部・ルーション地方の地中海近くで生産されている「バニュルス」や「リヴザルト」が有名です。
バニュルスはV.D.N(ヴァン・ドゥー・ナチュレル)をいれた大きなボトル瓶を太陽光にさらして熟成させたものであり、また、「バニュルス」や「リヴザルト」はチョコレートに合うワインとして、ソムリエ試験に頻繁に登場するほど定番の組み合わせです。
[英語]rancio