フィロキセラ・ヴァスタトリクスとは、土の中のブドウ樹の根に付いて樹液を吸い、やがて枯死に至らせる北米大陸東岸を原産とする昆虫(寄生虫)です。正式名をブドウネアブラムシといい、体長は1mmほどで、1859年に命名されました。
19世紀後半、ブドウの品種改良のためにヨーロッパへ輸出されたアメリカ原産のブドウ樹の根にフィロキセラが付着していたことによって、フィロキセラへの抵抗力を持っていないヨーロッパ系ブドウ品種(ヴィティス・ヴィニフェラ種)に全滅に近いほど壊滅的な被害を及ぼし、多くの歴史あるワイナリーがそのワインと共に失われたとされています。
現在では耐性をもつアメリカ系ブドウ品種(ヴィティス・リパリア)などのブドウ樹の台木へ接ぎ木する、つまり根の部分はアメリカ系ブドウ樹でその上にヨーロッパ系品種を接ぎ木した2段仕立てにすることにより被害が出なくなりました。
[英語]phylloxera-vastatrix
[フランス語]phylloxera
[イタリア語]fillossera