マールとは、ブドウの「搾りかす」を再発酵させたフランスの蒸留酒のことです。正式名称は『オー・ド・ヴィ・ド・マール』といいます。
ワインを蒸留して造る『コニャック』に対し、ブドウの絞りかすを蒸留して造られるマールは、原料となるブドウの香りもしっかりと残っており、また、再発酵させているためアルコール度数は約40度にもなります。
熟成後さらに樽熟成を経てたものは、美しい琥珀色となり、香りも芳醇で上質な甘みも生まれ、一般的に食後酒としてレストランだけでなく家庭でも親しまれています。
マールは保管にあまり気を遣う必要もないため、常温のマールをそのまま冷やしたグラスに注ぐことで、ブドウが熟成した素晴らしい香りを愉しむことができます。
「搾りかすブランデー」とも言われ安価なマールもありますが、上質なものは非常に高品質で、フランスのブルゴーニュ地方、シャンパーニュ地方、アルザス地方のマールが有名です。
その中でも特にブルゴーニュ産のマールは人気が高く、『ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ』や『クロ・ド・タール』といった世界でも屈指の知名度を誇るワイン生産者が生産したマールは、希少性が高くなっています。
イタリアでは、ヴェネト地方・グラッパ村の特産品であったことから、イタリア国内ではグラッパという名称で親しまれています。
[英語]marc brandy
[フランス語]eau-de-vie de marc
[イタリア語]grappa