ガッティナーラとは、イタリアのピエモンテ州に位置するD.O.C.G.とその地域で産出されるイタリアワインです。
北部ガティナーラ村周辺の標高400mの丘陵地(氷河によって作られた堆積土壌)で、ピエモンテ州北部では最も名声のある地域です。そこで、ネッビオーロ種、を90%以上使用し、ボナルダ種を加えてガッティナーラと呼ばれる赤ワインは造られています。
長熟ワインで5~12年が飲み頃ですが、中には20年以上の熟成に耐えるものもあり、その色は輝くようなガーネット色をしており、キイチゴの香り熟成に従いスミレの香りが感じられます。
また、アーモンドのソフトな苦味を持つしっかりしたワインで、ネッビオーロ種を用いたワインの中でも特にタンニンと酸が強い、肉付きの良いワインとなります。
そのため、若いうちはやや飲みづらく、長期熟成をすることでタンニンが穏やかに、酸に丸みを感じるようになってからが飲みごろと言われています。
また、セシア川を挟んだ対岸に「ゲンメ」というD.O.C.G.ワインも有名です。
ネッビオーロ種はバローロワインに用いられるため、酸味とタンニンが強いと思われがちですが、ガッティナーラの赤ワインは苦味こそあるものの、バローロに比べるといくぶん柔らかな味わいを持っています。
こうした味わいの違いは、熟成期間にも由来するが、もうひとつの原因は土壌にあるとされ、ランゲ地方はアルカリ性の粘土質で石灰を含むため、バローロワインは特徴的な強い酸とタンニンをもっているといわれています。
一方のガッティナーラは火山性の酸性斑岩土壌で、こうした土壌で育ったスパンナからは、ほどよい酸味と丸みを帯びたタンニンをもつワインがつくられており、生産量は45万本と少ないですが、その60%がアメリカ、ドイツ、日本に輸出されています。
ガッティナーラの歴史
ワイン造りは古く、古代ローマ時代からで、アンフォーラや葡萄収穫時の厳しい規定などが描かれた文書が見つかっています。
かつては「イタリアの醸造技術が産んだ宝石」と称えられたガッティナーラですが、近年はバローロやバルバレスコに押され生産量が減少傾向にありましたが、近年はネルヴィやトラヴァリーニ、アントニオーロといった地元生産者の努力により、再び隆盛を迎えつつあります。