フィノとは、世界三大酒精強化ワインの一つであるシェリーの中で、最も一般的なタイプのシェリーです。
一般的にパロミノ種を原料とし、アルコール度数を約15度未満にまで酒精強化した後、樽貯蔵時に満タンには詰めず産膜酵母(フロール)を水面に繁殖させ、その水面下で樽熟成をさせます。
この過程を経ることで、色は黄色がかった淡い麦わら色、味わいは極辛口となり、香りはアーモンドのような独特の白ワインができあがります。この白ワインがフィノです。
樽熟成期間は最低でも3年間と定められており、5~6年熟成させたフィノもあります。
また、『ソレラ』を経てブレンドをすることで品質の安定化を図っており、アペリティフから食中酒まで世界中で広く親しまれています。
フィノの生産地にはスペインアンダルシア州カディス県「ヘレスデ・ラ・フロンテーラ」や「プエルト・デ・サンタ・マリア」があり、またフィノと同じタイプのシェリーに「サンルカール・デ・バラメーダ」で生産されている『マンサリーニャ』があります。
1823年、ガルベイ社の「サン・パトリシオ」が輸出されたのがフィノ誕生の起源とされており、1850年代以降におけるイギリスでの辛口ワインブームの発生、他国での害虫フィロキセラの蔓延、1861年にイギリスの「ライト・ワイン政策」などによって、イギリスのヴィクトリア朝を代表するワインとなりました。
[英語]fino