デキャンタージュ

デキャンタージュとはワインの浮遊物や沈殿を取り除くためにワインを瓶からデキャンタに移す作業です。
ラテン語で「カップの縁から」を意味する言葉が語源とされており、目的は「若く風味の堅いワインを空気に触れさせることで香りを開かせるため」、「長期熟成されたワインの瓶内のを除去するため」がデキャンタージュの主な目的です。
主に赤ワインでこの手法が行われ、閉じているワイン(風味が固いワイン)を空気に触れさせて酸化させることにより、急激に熟成させ、風味を開かせるという構造です。
なお、香りが十分に出ていない白ワインにもごくまれにデキャンタージュされることがあり、比較的熟成が進んでいる赤ワインは食事中にだんだんと熟成され変化を楽しむことができるため、デキャンタージュをする必要はありません。
デキャンタを必要としない便利な道具も開発されており、ボトルの先に取り付けグラスに注ぐとデキャンタと同じ効果を発揮する「デキャンティングポアラー」、グラスをセットして上からワインを注ぐと澱を分離することができる「デキャンターセット」などがあります。
また、デカンタージュと呼ばれることもあり、香りを開かせるためにワインをデキャンタに移すことを意味するキャラファージュという用語もあります。
 

 

デキャンタージュのやり方

若いワインの場合

最初にデキャンタに残っているかもしれない違うワインの臭いを除去するため、ワインを少量デキャンタに入れ回しながらデキャンタをリンスします。(リンスが終わったワインは捨てます。)
次にワインをデキャンタの内側の口に近い部分に当てて静かに注ぎます。
内側の側面をワインが膜のように流れ落ちるようにすることにより、ワインをより空気に触れさせて香りが開きやすいようにします。
 

 

長期熟成されたワインの場合

まず抜栓した瓶の口をほこりが入らないように清潔な布で拭き、次に澱が入らないように瓶の肩のあたりに光を当てて静かに注ぎます。瓶の底や肩にたまった澱がデキャンタに入る前に注ぐのを止めて上澄みだけを移します。
 

 

 
[英語]decantation/decantage
[フランス語]decanting/decantation
[イタリア語]decantazione
 

 

 

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