ムールヴェードル
ムールヴェードルの早見表
分類 | 黒ブドウ |
フランス語 | Mourvèdre |
シノニム | マタロー(Mataró)やモナストレル(Monastrell)など(全95個) |
主な生産地 | フランス(ルーヌ地方・プロヴァンス地方)、スペイン(バレンシア州・フミーリャ州)、アメリカ(カリフォルニア州・ワシントン州)、オーストラリア(南オーストラリア州・ニューサウスウェールズ州) |
主なワイン | 全世界で様々なワインに用いられている(主にロゼワインが有名) |
特徴 | ミルデュー(ベト病)やオイデュム(ウドンコ病)に対する抵抗力は弱く、成熟が遅く、完全に熟すことは難しい、ワインは香り高く、鮮烈な果実香、ブラックベリーやジビエの香りのニュアンスを持つ |
ムールヴェードルの概要
バレンシア州のモルベドレ村周辺が原産地と推測されている。この地域の15世紀の文献にモナストレルのワインについて記述されており、18世紀まで高い評価を得ていたといわれる。その後、南フランスのラングドック・ルーションやプロヴァンスへと栽培が広がった。スペインではモスナトレル、オーストラリアやポルトガル、またアメリカなど新世界の一部ではマタロと呼ばれています。現在スペインでは主に地中海沿岸のバレンシア、ムルシア、カタルーニャ州で栽培され、リオハやアラゴン州でも古い畑に一部栽培されています。
ロゼ、赤、甘口、カバ、酒精強化ワインなど幅広いタイプのワインを生みます。
ムールヴェードルの特徴
中くらいの房で、果粒は丸く、果皮は青みがかった色で、厚く、果肉はしっかりとしており、旱魃には強いが、ミルデュー(ベト病)やオイデュム(ウドンコ病)に対する抵抗力は弱く、成熟が遅く、完全に熟すことは難しいという点があります。しかし近年は、きちんとした栽培管理と優れた醸造家の造りによって世界的に注目されるモダンなスタイルのワインを次々と生んでいます。
世界の多くの地域では、ムールヴェードルはグルナッシュ種やシラー種などの他品種とブレンドされ、ローヌ地方、オーストラリア、アメリカ合衆国ではこの3品種のブレンドが「GSM」として知られています。このブレンドでムールヴェードルは色合い・果実香・ある程度のタンニンを提供し、果実味のあるグルナッシュ種やエレガンドなシラー種を補うとされています。プロヴァンス地方やローヌ地方ではサンソー種やカリニャン種などとブレンドされることもあり、そのブレンドでは赤のテーブルワインやロゼワインが生産され、ロゼワインは世界的に有名です。オーストラリアでは酒精強化ワインにも使用されることがあります。