英:Moscatel
モスタテルとは、ポルトガルで生産されている、モスカテル種というマスカット葡萄品種単独で生産される極甘口のシェリーの一種です。ペドロ・ヒメネスよりも色合いが淡く、粘度は低めで、規定アルコール度数は15-22%と定められています。ボトルワインの生産量は少なく、酒造店で量り売りされたり、バルで提供されることが頻繁にあります。
モスカテル種はいわゆるマスカット系の葡萄品種で、香り豊かなので、ブドウの皮を残したまま醸造されます。そして、アルコール発酵の途中で、グレープ・スピリッツと呼ばれるブランデーを加えることによって、糖分を残したままアルコール発酵を終了させ、極甘口の酒精強化ワインに仕上げます。
その後、果皮を3か月以上浸漬させ、モスカテル種の香りを十分にワインに残し、最後に18ヶ月間の樽熟成を行います。
マスカットの皮から抽出された香りは、マーマレードのような、オレンジやアンズを思わせる風味となります。
セトゥーバルで作られるモスカテルは、以前はモスカテルのブドウ品種を65%以上使うという規定がありましたが、ポルトガルがEUに加盟をしてからはモスカテル種を85%以上用いるというように統一しています。