補糖とは、収穫したブドウが未熟等の理由から糖分が十分でなかった場合に、発酵前あるいは発酵時に糖分を添加することです。
補糖は、ショ糖やブドウ糖、果糖、まれにブドウの果汁が使用され(2度レベル以下)、甘味をつける目的ではなく完成するワインのアルコール度数をかさ上げするという目的で補糖を行います。
フランスでは添付する糖分の量は30g/ℓ以下と制限されておりアルコール1.7%分に相当します。
ちなみに、ドイツやイタリアでは砂糖を加えるのではなくブドウの濃縮果汁で補糖を行っています。
冷淡な地域や低温のヴィンテージなどのブドウの糖度が上がらない時に補糖が行われますが、ドイツやオーストリアの高級甘口ワインでは禁止されている技術で、補糖によってあまり高くアルコール度数を上げすぎると完成したワインの味わいのバランスを崩す恐れがあります。
また、補糖の代わりに逆浸透膜を用いてブドウ果汁中の水分を抜き取ることで糖度を高める生産者もいます。
補糖という技術は、フランス農務大臣兼科学者でもあったジャン=アントワーヌ・シャプタル氏(1756~1832年)が1801年に考案した技術で、その名をとり「シャプタリザシオン」、「シャピタリゼーション」と呼ばれています。
[英語]chaptalization
[フランス語]chaptalisation
[イタリア語]zuccheraggio