英:madeira
仏:madere
マディラとは、ポルトガルの海外領土の大西洋に浮かぶマディラ島で生産されている酒精強化ワインを指し、シェリー、ポートワインと並び世界三大酒精強化ワインと称されています。
マディラワインは酒精強化後にエストゥファと呼ばれる加熱熟成を行うため、キャラメルのような独特な風味、いわゆるマディラ臭が生まれます。
マディラワインはアルコール度数17%~22%ほどが普通で、標高により栽培品種が異なる点や、どのタイミングで蒸留酒を加えて発酵をやめさせるかにもよるため、マディラワインには甘口のものも辛口のものもあり、一般に辛口のマデイラ・ワインは食前酒、甘口のマデイラ・ワインはデザートワイン(食後酒)として愉しまれており、安価なものは料理酒としても用いられています。
もともとは昔、赤道を横切る暑くて長い航路を経たワインが酸化により美味しくなったことや、
英西戦争によりジブラルタル海峡を巡る紛争により航路を失ったことから、島での貯蔵を余儀なくされたマディラの人々は貯蔵していたワインの一部を蒸溜し、残りのワインに加えることで貯蔵効率と保存性を高めたものが深いものとなったことから、現在はこれらを再現してマディラワインが生まれました。
以来、酒精強化はマディラワインに欠かせない手法となってゆきます。