澱/滓(おり)とは、ワインに含まれる酵母や乳酸菌などの微生物やワインの色素や成分が熟成中に固まり、発酵後に樽やボトルの上や底に浮遊・沈殿したものです。
また、貯蔵によって不溶性となったものも澱/澱に含まれます。
浮遊・沈殿した澱/滓の中でも製造過程でバクテリアや酵母から生じる固形物質を滓、
熟成で生じた、タンニンなどのポリフェノール類や酒石酸がカリウムと結合して固まったものを澱と使い分けており、滓をセディマン、澱をデポジットとも呼びます。
主に赤ワインに多く見られますが、まれに白ワインでも見かけられ、人体に悪影響を及ぼすことはありません。
しかし、澱/滓を取り除かなければ見た目や舌ざわりなどが悪くなることから、通常はデキャンタージュによって取り除かれます。
なお、古いワインの場合はデキャンタージュにより必要以上に酸化されることを防ぐために、グラスに澱が入らないよう注意しながらボトルのまま注ぎます。
澱についての関連技術・手法としては「澱下げ」、「澱抜き」、「澱引き」、「シュール・リー」などがあります。
[英語]deposit ,sediment
[フランス語]dépôt ,sédiment
[イタリア語]deposito,sedimento