北部ギリシャ地方(マケドニア・トラキア)
マケドニアは東ヨーロッパのバルカン半島中央部にあたる歴史的・地理的な地域で67,000km²ほどの広さにおよそ465万人が住んでおり、中心的な都市は南東部にあるギリシャ領のテッサロニキです。
現在はギリシャ、ブルガリアのそれぞれ一部と、独立国のマケドニア共和国の3つの国の領土に分けられており、ギリシャが南部をおよそ50%占め、この地域を「エーゲ・マケドニア」といいます。
トラキアも同じく、バルカン半島南東部の歴史的地域名で、現在は3か国に分断され、西トラキアがブルガリアの南東部とギリシャ北東部の一部に、東トラキアがトルコのヨーロッパ部分とされています。
ワインではこの2つの地域をセットとして「北部ギリシャ地方」と呼びます。
マケドニア・トラキアとワイン
北部ギリシャ地方には、1971年に初めてO.P.A.P.に認定されたナウサという産地があります。クシノマヴロという品種から作られる赤ワインが有名です。ハルキディキという産地は、古代ギリシャ以来の由緒あるワイン産地で、ワインの他にハルキディキという蒸留酒も生産されています。
ハルキディキ半島中央、メリトン山の斜面に広がる場所にコート・ド・メリソンという産地があります。ここでは、ギリシャの固有品種のほか、カベルネ・ソーヴィニヨンやメルロなど多彩な品種を生産しています。
・ナウサ×クシノマヴロ(黒ブドウ)
・アミンデオン×クシノマヴロ
・マンティニア×モスコフィレオ(赤みのある白ブドウ)
・ネメア×アギオルギティコ(黒ブドウ)
・アミンデオ
アミンデオはギリシャで最も内陸の地域でここで栽培されるクシノマヴロからは軽く優しいスパークリングとフルーティな赤とロゼのワインになります。標高600m以上の高地では不利な天候にもかかわらずシャルドネやソーヴィニォンブランも栽培されています。 ■グメニサ(Goumenissa) グメニサのブドウ畑はナウサの北東にまで伸び、広さは150平方km。標高250mの地です。繊細な赤ワインがO.P.A.Pとして認められています。
■ナウサ(Naoussa)
標高150-300mに位置し、ナウサのO.P.A.Pはクシノマヴロですが、多くの国際品種の導入も図られており、ワールドマーケットを意識したワイン造りが始っています。
■プライエス・メリトン(Meliton Slopes) 太陽が降注ぐメリトン山のスロープが産地。乾燥した温暖な気候と海風が上質なO.P.A.Pコート・ド・メリトンを造ります。白は3種類のギリシャ品種から、赤は古代品種ノリムニオにフランスのカベルネ種を加えて造られます。
■ヴァン・ド・ペイ・マケドニア(Topikos Oinos Macedonias) 近年マケドニア地方のヴァン・ド・ペイは、伝統品種だけでなく多くの国際品種を導入することにより、国際的に高い評価を得るようになりました。
■トラキア(Thrace) トラキアのブドウ畑はホメロスの時代から知られていた結果、思い入れも深い地域で、近年アマロニアのブドウ畑は大掛かりな改善がなされたため、新しい地元(ヴァン・ド・ペイ)が多く生産されるようになりました。
マケドニア・トラキアの主要ワイナリー
ギリシャ北部にはたくさんのワイナリーがあります。
その中でもギリシャ最大級を誇るのが、チャンダリス・ファミリーのワイナリーです。
マケドニア・トラキアの有名ワイン
O.P.A.P | やや辛口、やや甘口 |
クシノマヴロ種 | |
O.P.A.P Sparkling |
ロゼ、やや甘口 |
クシノマヴロ種 | |
O.P.A.P | やや辛口、やや甘口 |
クシノマヴロ種 | |
O.P.A.P | クシノマヴロ種80%、ネゴシカ種20% | ||
O.P.A.P | やや辛口、やや甘口 |
クシノマヴロ種 | |
O.P.A.P | アシリ種50%、ロディテス35%、アッシティコ種15% | ||
O.P.A.P | リムニオ種70%、カベルネソーヴィニォン種とカベルネフラン種で30% |
(マケドニアのヴァン・ド・ペイ) |
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ぶどう品種 | ||
やや辛口 |
アシリ種、ロディティス種、アシルティコ種、ズミャティコ種、ユニ・ブラン種、シャルドネ種、ソーヴィニォンブラン種 | |
ロゼ・辛口、 やや辛口 |
リムニオ種、ロディティス種、クシノマヴロ種、グルナッシュ種、シラー種、カベルナソーヴィニォン種 | |
赤・辛口、 やや辛口 |
リムニオ種、クシノマヴロ種、カベルネソーヴィニォン種、カベルネフラン種、シラー種 | |
最低55%がユニブラン種、残りは他の地域品種 | ||
メルロ種を咲いて55%、残りは他の地域品種 | ||
最低メルロ種40%、アシルティコ種10%、残りは他の地域品種 | ||
最低メルロ種40%、シラー10%、残りは他の地域品種 | ||
クシノマヴロ種、ロディティス種、プリクナディ種 | ||
最低60%がクシノマヴロ種、残りは他の地域品種 | ||
マラグジア種、アシルティコ種、ソーヴィニォンブラン種、シャルドネ種 | ||
シラー種、メルロ種、グルナッシュ種 | ||
やや辛口、 やや甘口 |
最低60%がロボラ種、残りはアシリ種、アシルティコ種、シャルドネ種、ソーヴィニォンブラン種 | |
赤・辛口 やや辛口、 やや甘口 |
最低60%カベルネソーヴィニォン種、残りはメルロ種、シラー種、リムニオ種、クシノマヴロ種 | |
最低%がマラグジア種、残りは他の地域品種 | ||
最低60%がシラー種、残りは他の地域品種 | ||
最低50%がズミャティコ種、残りは他の地域品種 | ||
クシノマヴロ種 | ||
赤・辛口 | 最低80%がクシノマヴロ種、残りは他の地域品種 | |
最低40%がソーヴィニォンブラン種、15%がセミヨン種、残りは他の地域品種 | ||
ロゼ・辛口 | 最低55%がカベルネソーヴィニォン種、残りは他の地域品種 | |
赤・辛口 | 最低40%がカベルネソーヴィニォン種、10%がメルロ種、残りは他の地域品種 | |
やや辛口 やや甘口 |
ロディティス種、アシルティコ種、アシリ種、マラグジア種、ユニブラン種、ソーヴィニォンブラン種、マスカット・アレキサンドリア種 | |
やや辛口 やや甘口 |
クシノマヴロ種、ロディティス種、グルナッシュ種、シラー種、カベルナソーヴィニォン種 | |
やや辛口 やや甘口 |
カベルネソーヴィニォン種、クシノマヴロ種、メルロ種、シラー種、グルナッシュ種、リムニオ種 | |
最低5%がロディティス種、10%がアシルティコ種、 | ||
ロゼ・辛口 | 最低50%はカベルネソーヴィニォン種、10%がリムニオ種、残りは他の地域品種 | |
赤・辛口 | 最低50%はカベルネソーヴィニォン種、10%がリムニオ種、残りは他の地域品種 | |
シャルドネ種、ソーヴィニォンブラン種、トラミナー種、ロディティス種、クシノマヴロ種 | ||
サイテイ70%ロディティス種、残りはソーヴィニォンブラン種、シャルドネ種、ユニブラン種 | ||
ロゼ・辛口 | 咲いて60%がクシノマヴロ種、残りはメルロ種 | |
最低60%クシノマヴロ種、残りはメルロ種 | ||
マケドニコス | 白・辛口、 やや辛口、 やや甘口 |
この地域で生産された全ての葡萄から |
ロゼ・辛口、 やや辛口、 やや甘口 |
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赤・辛口、 やや辛口、 やや甘口 |
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メシンヴィリア | 白・辛口、 やや辛口 |
最低25%ズミャティコ種、残りはロディティス種 |
ヴェルヴェンドウ | 白・辛口 | バティキ種、ロディティス種、シャルドネ種 |
ロゼ・辛口 | クシノマヴロ種、モスホマヴロ種 | |
赤・辛口 | クシノマヴロ種、モスホマヴロ種、カベルネソーヴィニォン種、メルロ種 | |
ヴェルティクス | 白・辛口 | クシノマヴロ種、アシリ種、アシルティコ種 |
(トラキアのヴァン・ド・ペイ) |
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アヴェディロン | 白・辛口、 やや辛口、 やや甘口 |
ロディテス種とズミャティス種で50%、残りはその他あらゆる品種 |
ロセ・辛口 やや辛口、 やや甘口、 赤・辛口 |
ロディティス種とパラミディ種で50%、残りは他のあらゆる品種 | |
赤・辛口、 やや辛口、 やや甘口 |
パラミディ種は50%、残りは他のあらゆる品種 | |
イスマリコス | 白・辛口、 やや辛口、 やや甘口 |
ロディテス種とズミャティス種で50%、残りはその他あらゆる品種 |
ロゼ・辛口、 やや辛口、 やや甘口 |
ロディティス種とグルナッシュ種で50%、残りは他のあらゆる品種 | |
赤・辛口、 やや辛口、 やや甘口 |
リムニオ種とグルナッシュ種で50%、残りは他のあらゆる品種 | |
トラキア | 白・辛口、 やや辛口、 やや甘口 |
この地域で生産された全ての葡萄から |
ロゼ・辛口、 やや辛口、 やや甘口 |
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赤・辛口、 やや辛口、 やや甘口 |